四恩醸造

雅子さんの車に乗せてもらい千葉から山梨の四恩醸造さんへ移動しました。

四恩醸造がある山梨の牧丘は、巨峰をはじめ沢山の果物がとれる産地です。ここで栽培・醸造・瓶詰め・箱詰め・発送…等々、全ての仕事を一人でこなしているのが小林剛さんです。

到着したその夜、山梨大学の学生対象のワイン会が行われていました。
お題はシチリアワイン。剛さんセレクトの発砲ワインから白そして赤へと解説しながら、ワインが変わる度に剛さん手作りの料理が出てきて、と山梨の学生を羨ましく思う会でした。
僕が初めて四恩醸造を訪問させてもらったのは昨年9月で、収穫時期の5日間研修でした。今回は発砲ワインの【クレマチス14’】の澱引き作業中の訪問で若干ゆったりとした剛さんを見ることができましたが、収穫の時は時間に追われながらの作業で、夜2時に醸造作業終了、朝6時に収穫開始という日もあったり、その間に箱詰めしたり稲刈りしたり…と一人でこんな事出来るのかと驚かされる毎日でした。そんな中でも朝昼晩のご飯も作って頂いたり、夜は時間を作って頂き一緒に飲んでもらったり、自分が漠然とした質問をしてもよく言葉を選びながら丁寧に話してくれたりと、全ての時間に密度がありました。

今回滞在中には来客もあり色々な話が聞けたのですが、その中でも印象に残ったのがこんな話でした
「年齢と共に仕事量は落ちるけれども、自分は値段も上げるつもりないしこのままの造りを続けて行きたいです。それは気軽に飲んでもらいたのもあるし、特に若い人に飲んでもらいたい、そして僕がお金を持ちすぎるとやりたい事が変わってしまう可能性がありますからね」。
笑って話していましたが、ハッ。とさせられる話でした。
自分が酒屋として何が出来るのかもう一度考え直そうと思いましたし、こういう生産者のワインを飲める事や、扱える事が嬉しい事だと再確認出来ました。

樽にも自由制作で彫って良いよと言って下さったので自由に彫ってみました。喜んで頂けて良かったです。